PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32039260
タイトル:Inhaled corticosteroid withdrawal may improve outcomes in elderly patients with COPD exacerbation: a nationwide database study.
<概要(意訳)>
背景:
吸入ステロイドは、COPDの進行期等に使用されているが、その離脱による安全性等は論争中である。今回、急性増悪で入院した喘息合併/非合併の高齢COPD患者における吸入ステロイドの離脱と予後について検討した。
対象と方法:
国内DPCデータに登録されている2010年7月~2016年3月にCOPD急性増悪で入院した65歳以上の高齢COPD患者において、吸入ステロイドの離脱群と継続群で退院後の再入院、もしくは、死亡、抗菌薬、経口コルチコステロイド の処方頻度を傾向スコアマッチング(PS)法と周辺構造モデル(IPTW)法を用いて検討した。
結果:
3735例の内、吸入ステロイド離脱群は971例、継続群は2764例であった。
吸入ステロイド継続群と比し、離脱群のCOPD急性増悪による再入院と死亡のハザード比は、0.65(0.52-0.80:PS法)、0.71(0.56-0.90:IPTW法)であった。
退院1年後の経口コルチステロイドの処方頻度に差はなかったが、抗菌薬の処方頻度は、吸入ステロイド離脱群で有意に少なかった。
傾向スコアマッチング(PS)法の結果では、喘息合併COPD患者で吸入ステロイドを離脱した群の再入院と死亡リスクは、吸入ステロイド継続群に比し有意に低かった。
結論:
高齢COPD患者の急性増悪後における吸入ステロイドの離脱は、喘息合併症例を含めて、再入院と死亡リスクの有意な減少と関連していた。