退院時共同指導料2(令和4年度改定)のポイント



保険医療機関に入院中の患者について、「当該保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士」が、入院中の患者に対して、当該患者の同意を得て、「退院後の在宅での療養上必要な説明及び指導」を「在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは社会福祉士」」又は「在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師(准看護士を除く)等、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士」と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該患者が入院している保険医療機関において、当該入院中1回に限り算定(400点:入院先の医療機関側が算定)する。

ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、「当該患者が入院している保険医療機関の保険医又は看護師等」が、「在宅療養担当医療機関の保険医若しくは当該保険医の指示を受けた看護師等」又は「在宅療養担医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師(准看護士を除く)等」と1回以上、共同して行う場合は、当該入院中2回に限り算定(400点×2)できる。

[退院時共同指導料1及び退院時共同指導料2を2回算定できる疾病等の患者並びに頻回訪問加算に規定する状態にある患者]

□末期の悪性腫瘍の患者(在宅がん医療総合診療科を算定している患者を除く)

□(1)であって、(2)又は(3)の状態である患者

(1)在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養 経管栄養法指導管理、在宅人口呼吸指導管理、在宅悪性腫瘍等患者指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅肺高血圧症患者指導管理又は在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある患者

(2)ドレーンチューブ又は留置カテーテルを使用している状態

(3)人口肛門又は人口膀胱を設置している状態

□在宅での療養を行っている患者であって、高度な指導管理を必要とするもの

退院時共同指導料2は、患者の家族等退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。

また、この算定は、退院後在宅での療養を行う患者が対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とならない。

ただし、区分番号A246に掲げる「入退院支援加算(退院時1回)」を算定(635~1,300点)する患者にあたっては、当該保険医療機関において、疾患名、当該保険医療機関の退院基準、退院後に必要とされる診療等[介護老人保健施設、介護医療院、介護老人福祉施設(地域密着型介護老人福祉施設を含む)、特定施設(地域密着型特定施設を含む)、障害者支援施設[生活介護を行う施設又は自立訓練(機能訓練)を行う施設]、福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設]の療養に必要な事項を記載した退院支援計画を策定し、当該患者に説明し、文書により提供するとともに、これを在宅療養担当医療機関と共有した場合に限り算定する。

なお、当該患者が当該保険医療機関に併設する介護施設等に入所する場合は算定することはできない。

区分番号B003に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅱ)は別に算定(220点)できない。

上述(退院時共同指導料2)の場合において、入院中の保険医療機関の保険医療機関の保険医及び在宅療養担当医療機関の保険医が共同して指導を行った場合は2者共に、各300点を所定点数に加算する。

ただし、「多機関共同指導加算(2,000点)」に規定する加算を算定する場合は、算定できない。

 

上述(退院時共同指導料2)の場合において、「入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等」が、「在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの看護師(准看護士を除く。保健師、助産師を含む。)等、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員(ケアマネ)又は相談支援専門員(障害者ケアマネ)の内、いずれか3者以上(算定する保険医療機関の関係者を除外したうえでの人数なので、実際に現場に集まるのは4者以上となる。同一職種が2者以上の場合は1者と数える。)と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として2,000点を所定点数に加算する。

令和4年度の改定により、共同指導について、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施することが可とされた(ビデオ通話で実施する場合の従前の要件が削除された)。

ビデオ通話が可能な機器を用いた共同指導において、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得る。

また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワークの端末において共同指導を実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応する。

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