慢性心不全で入院した患者のエネルギー代謝と栄養状態



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32259814/ 

タイトル:Energy Metabolism and Nutritional Status in Hospitalized Patients With Chronic Heart Failure

<概要(意訳)>

背景:

栄養失調は、慢性心不全患者の生命予後を規定する因子である。

本研究では、心不全の重症度と「炎症性サイトカイン、食欲調節ホルモン、エネルギー代謝」との関連性から、心不全患者の栄養障害と代謝障害を調査した。

方法:

被験者は、慢性心不全患者50人。入院時に栄養状態を評価し、腫瘍壊死因子(TNF、インターロイキン(IL-6、グレリン(食欲増進ホルモン)、レプチン(食欲抑制ホルモン)を含む生化学的血液検査を行った。

安静時エネルギー消費量(REE)も間接熱量計で測定し、心不全の重症度と炎症性サイトカインと食欲調節ホルモンとの関連を調査した。

結果:

脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と栄養指標には有意な関連性があり、心不全の重症化に伴い、栄養状態も悪化していた。

炎症性サイトカインの値は、血中BNPと有意な正の相関があった。

REEと体重は、心不全の重症度とは関連していなかったが、「体脂肪率とレプチン」とは負の相関があった。

結論:

エネルギー代謝は、NYHA分類III度までの心不全患者の血中BNPとの関連はなかった。「体脂肪率とレプチン(補足:血中レプチン濃度は、ほとんどの肥満者において体脂肪量に比例して上昇している)」は、心不全患者のエネルギー代謝の優れた予測因子となる可能性があるだろう。 

【参考情報】ヒトの血中レプチン濃度と体脂肪率の相関

http://jams.med.or.jp/symposium/full/124036.pdf

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