COVID-19で入院した糖尿病患者の特徴と予後



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32472191/ 

タイトル:Phenotypic characteristics and prognosis of inpatients with COVID-19 and diabetes: the CORONADO study

<概要(意訳)>

目的:

COVID-19は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2SARS-CoV-2)によって引き起こされる生命を脅かす感染症である。

最近、糖尿病はCOVID-19の主要な重症化因子として顕在化している。 しかし、COVID-19で入院した糖尿病患者における表現型の特徴は未だ分かっていない。

方法:

フランスの53施設の病院にCOVID-19で入院した糖尿病患者を対象とした全国多施設観察研究(期間:2020310日〜31日)を実施した。

主要評価項目は、「気管挿入、および/または入院7日以内の死亡の複合」として、年齢と性別を調整した多変量ロジスティック回帰分析をした。

分析対象の患者は、1,317人[2型糖尿病:88.5%、男性:64.9%、平均年齢:69.8±13.0歳、BMI中央値:28.425th–75th percentile: 25.0–32.7) kg/m]であった。

糖尿病患者における合併症併発率は、細小血管合併症と大血管合併症のそれぞれで、46.8%と40.8%であった。

結果:

単変量解析で主要評価項目と有意な関連があった入院前の共変量は、性別、BMI、およびレニンアンジオテンシンアルドステロン阻害薬(RAAS)による治療介入であったが、年齢、糖尿病のタイプ、HbA1c、糖尿病性合併症、または血糖降下療法には、その関連性は認められなかった。

入院前の共変量による多変量解析では、唯一BMIが主要評価項目との関連性が高かった(OR1.28 [95%CI1.10 – 1.47])。

主要評価項目(気管挿入、および/または入院7日以内の死亡の複合)は、29.0%(95CI 26.6 – 31.5)患者で発症し、10.6%(95CI9.0 – 12.4)の患者は死亡した。また、18.0%(95CI16.0 – 20.2)の患者は入院7日目に退院した。

入院時の呼吸困難(OR2.10 [95CI1.31 – 3.35])、リンパ球数(OR0.67 [95%:0.50 – 0.88])、C反応性タンパク質(OR1.93 [95%:1.43 – 2.59])、およびASTOR2.23 [95%:1.70 – 2.93])の値は、主要評価項目の独立した予測因子であった。

最後に、年齢(OR2.48 [95CI1.74 – 3.53])、閉塞性睡眠時無呼吸の治療(OR2.80 [95CI1.46 – 5.38])、細小血管合併症(OR2.14 [95CI1.16 – 3.94])、大血管合併症(OR2.54 [95CI1.44 – 4.50])は、入院 7日以内の死亡リスクと独立した関連性があった。 

結論:

COVID-19で入院した糖尿病患者において、BMIは、「気管挿管および/または7日以内の死亡(主要評価項目)」と明らかに独立した関連性[内訳は、BMI25の主要評価項目のORを1とした場合、BMI25 – 29.9OR1.33(0.93 – 1.89)BMI30-39.9OR1.711.20 – 2.43)、BMI40OR1.280.70 – 2.32)]があったが、長期的な血糖管理には、その関連性はなかった。

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