PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31854243
タイトル:Importance of sodium-glucose cotransporter 2 inhibitor use in diabetic patients with acute heart failure.
<概要(意訳)>
背景:
高齢の糖尿病患者は、一度、心不全を発生すると予後が非常に悪いことが知られている。
急性心不全の入院治療を必要とする糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の早期介入が有益であるかどうかを調査した。
方法:
急性心不全の治療で公立陶生病院の循環器内科に入院した糖尿病患者の連続症例を後ろ向きに調査した。
患者は、SGLT2阻害薬群[n=12、平均年齢:73±9歳]と従来治療群[n=19、平均年齢:75±10歳]の2群に分けた。
結果:
2群間における入院時の心不全の重症度(NYHA分類)または、クリニカルシナリオ(CS)に違いはなかった。
HbA1cは、SGLT2阻害薬群(HbA1c:8.1%±0.8%)で従来治療群(HbA1c:7.1%±0.8%)よりも有意に高かった(p = 0.003)。
入院期間と心不全の回復程度は、両群で同等であった。
Ther Adv Cardiovasc Dis 2019, Vol.13: 1-10
退院時の利尿薬使用率は、従来治療群(n = 19、100%)と比較してSGLT2阻害薬群(n = 8、67%)で有意に低かった(p = 0.016)。
特に、ループ利尿薬の用量は、従来治療群で34±4 mg /日であったが、SGLT2阻害薬群は13±5 mg /日であり、有意に少なかった(p = 0.008)。
Ther Adv Cardiovasc Dis 2019, Vol. 13:1-10
入院中の急性腎障害の発症率は、SGLT2阻害薬群(n = 2、16%)よりも従来治療群(n = 11、58%)で有意に高かった(p = 0.031)。
Ther Adv Cardiovasc Dis 2019, Vol.13:1-10
結論:
SGLT2阻害薬の早期介入は、糖尿病患者の心不全の治療と管理に有用であることが示唆された。