伏見AFレジストリ-における心房細動患者のPCIの現状



PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31694792

タイトル:Current status of percutaneous coronary intervention in patients with atrial fibrillation: The Fushimi AF Registry.

<概要(意訳)>

背景:

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した心房細動(AF)患者の最適な抗血栓療法は研究されているが、まだ不確かなことも多い。

CHADSスコアが高く、経口抗凝固薬を服用しているAF患者がPCIを施行した後は、抗血小板薬を併用する最適な抗血栓療法の選択に迷うことは日常臨床でよくあることだろう。

AF患者のPCI施行率に関するデータはないため、Fushimi AF Registryのデータから、PCI施行率とCHADSスコアとの関連等も評価した。

方法:

伏見AFレジストリ-(京都市伏見区のAF患者の前向きコホート研究)の追跡データの内、4325人のデータが利用可能で、追跡期間の中央値は3.6年(四分位範囲:1.9〜5.9)であった。

結果:

フォローアップ期間中に122人の患者で143件のPCIが施行され、28人(20%)が緊急のPCI施行であった。

年間1000人あたりのPCI施行は、9.36人であった。フォローアップ1年と3年時におけるPCI累積施行(率)は、それぞれ46人(1.1%)と85人(2.4%)であった。

年齢を4グループ[<65(n = 765)、65-75(n = 1359)、75-85(n = 1586)、85≤年(n = 615)]に分類した場合、1年時のPCI施行率は0.4%、1.4%、1.4%、0.6%であり、3年時のPCI施行率は1.4%、2.7%、2.8%、1.6%であった。

CHADSスコア2点以上の患者のPCI施行率(n = 2651、61.3%)は、CHADSスコア1点以下の患者におけるPCI施行率(n = 1674、38.7%)よりも高かった。CHADSスコアの項目で、AF患者のPCI施行と関連があったのは糖尿病のみであった。(HR 1.95、95%:1.34-2.83、p = 0.0005)。

結論:

年間100人あたり1人のAF患者がPCIを施行されていた。とくに、CHADSスコア2点以上のPCI施行率が高かった。

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