COVID-19の臨床状態に応じた2型糖尿病治療薬の推奨ガイドライン



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33188364/

タイトル:COVID-19 and diabetes mellitus: from pathophysiology to clinical management

<概要(意訳)>

過去の基礎および臨床研究データと現在の出版物から入手可能な最新情報とWHO臨床進行尺度に基づくCOVID-19患者の臨床状態(重症度)に応じた2型糖尿病治療薬の使用に関するガイドラインを提案する。

コロナ禍に、これらの薬剤使用に関する公表された推奨事項はほとんどない。

COVID-19患者は、(炎症に関連するインスリン抵抗性によって悪化する可能性がある)急性高血糖に備える必要がある。

薬剤の選択は、主に推定される有効性と潜在的または実際の安全性によって検討されるべきである。

Nat Rev Endocrinol. 2021 Jan;17(1):11-30.

COVID-19患者のケトアシドーシス治療に関しては、具体的な推奨事項が発表されており、皮下インスリン療法に重点が置かれている。

高血糖のCOVID-19患者では、血糖値とケトン体の頻繁なモニタリングが必須となる。

呼吸機能障害のあるCOVID-19患者の水分および電解質管理は、一般的な推奨事項に従う必要がある。

COVID-19を罹患した糖尿病患者の水分と電解質管理に関する具体的なガイダンスはない。

 

SGLT2阻害薬は、浸透圧利尿による潜在的な脱水を誘発するリスクがあり、これは急性腎障害とケトアシドーシスの危険因子であることが示唆されている為、(現時点では)中等症から重症のCOVID-19患者には推奨されない。

しかしながら、COVID-19で入院した患者における疾患の進行、合併症、全死亡に対する効果を評価するSGLT2阻害薬(ダパグリフロジンとプラセボを1日1回30日間投与した場合の比較)の国際研究(NCT04350593)が進行中である。

この研究結果は、COVID-19患者に対するSGLT2阻害薬の使用意義を明らかにするのに役立つだろう。

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