服薬情報等提供料2（令和4年度改定）のポイント

☆服薬情報等提供料2（月1回限り20点）とは

「患者・家族、介護支援専門員」からの求め、および「薬剤師」が必要を求めた「服用薬の残薬」に関する情報提供を行ったときの情報提供料である。

長期投与の処方が増えているなか、その服用期間内には様々な医薬品に関する安全性情報がインターネットや製薬会社を通じて配信されている。

例えば、独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）から提供される緊急安全性情報、安全性速報、医薬品・医療機器等安全性情報などがこれに該当する。

新たな安全性情報がニュースで報じられると、情報提供文書などで服用中の医薬品だと知った患者自身やその家族は不安になり、アドヒアランスに影響を与えるだけでなく、喚起された副作用が発生していないか確認する必要が出てくる。

服薬情報提供等提供料2は、患者側が能動的に情報を薬局に求めて提供することを評価している。

同時に、次回の処方箋受付時には、情報提供した結果、患者の状態はどのようであったか、必要であれば薬剤師から指導を行って初めて完結する。

患者の自覚症状の分析には、「重篤副作用疾患別対策マニュアル（厚生労働省）」などを参考にすることが望ましいと規定されている。

情報提供にあたり、下記の表2（別途様式1）、またはこれに準ずる様式の文書を使用する。

原本は医療機関に提出するため、コピーをとって、薬剤服用歴とともに保存する。

☆服薬情報等提供料2の算定要件

□患者または家族から薬剤の最新の情報提供に対する求めがあったか。

□服薬期間中の服薬状況を確認して必要な指導を行ったか。

□表3の情報を患者または家族、介護専門員に提供したか。

□患者の服薬に関する情報を医療機関に提供すべきと薬剤師が判断した時は、患者の同意を得たうえで医療機関へ文書による情報提供を行ったか。

□次回以降患者が来局したときに、患者の状態を確認し必要な指導を行ったか。

表3に対象となる情報の内容をまとめた。患者の同意は全て必要となる。

☆併算定できない点数

以下の調剤報酬点数を算定している場合は、服薬情報等提供料を算定できない。

・服薬管理指導料

・かかりつけ薬剤師指導料

・かかりつけ薬剤師包括管理料

・在宅患者訪問薬剤管理指導料

・在宅患者オンライン薬剤管理指導料

・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料

・在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料

・在宅患者緊急時等共同指導料

・吸入薬指導加算

・特定薬剤管理指導加算2

・調剤後薬剤管理指導

・服用薬剤調整支援料2

これらの服薬情報等提供料は、特別調剤基本料を算定している保険薬局では、薬局と不動産取引など特別な関係のある医療機関に情報提供を行っても算定することはできない。