過体重、あるいは肥満の2型糖尿病における厳格な生活習慣の介入、心肺機能、BMIと心不全リスクの関連



PubMed URLhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32134326 

タイトル:Association of Intensive Lifestyle Intervention, Fitness, and Body Mass Index With Risk of Heart Failure in Overweight or Obese Adults With Type 2 Diabetes Mellitus: An Analysis From the Look AHEAD Trial.

背景:

2型糖尿病(T2DM)は心不全(HF)のリスクが高いことと関連している。生活習慣の介入と心肺機能(CRF)、BMIの変化が心不全リスクに与える影響は十分に確立されていない。

方法:

LOOK AHEAD(糖尿病における健康のためのアクション)試験の参加者には、HFの既往のない参加者が含まれていた。厳格な生活習慣介入(ILI)群と糖尿病支援・教育(DSE)群の間でHFの発症リスクを比較するために、イベントまでの時間解析を行った。最大トレッドミルテストから推定されるベースラインのCRFBMI、およびこれらのパラメータの縦断的変化とHFのリスクとの関連を用いて評価(多変量解析:Cox回帰比例ハザード分析)した。

結果:

5,109人の試験参加者のうち、12.4年の追跡期間中央値において、ILI群とDSE群の間でHFの発生リスク(n=257)に有意差はなかった[HR95CI=0.960.751.23)]。

最もリスク因子を調整したModel 3において、HFのリスクは、ベースラインの心肺機能(CRF)が中等度(6.2-7.8METs)[HR95CI)=0.610.440.83)]群と高度(7.9-16.7METs)[HR95CI)=0.380.240.59)]群でそれぞれ39%と62%低かった[比較群:低度(3.3-6.1METs]

HFのサブタイプ間では、既知のCVリスク因子とMI発生率を調整した後、ベースライン心肺機能(CRF)はHFrEFの発症リスクと有意な関連はなかった。

一方で、HFpEFの発症リスクは中等度の心肺機能群では40%低く、高度の心肺機能群(CRF)では77%低かった。

ベースラインBMICRFおよび従来のCV危険因子を調整したModel 3では、HFHFpEFHFrEFの発症リスク減少との関連は認められなかった。

心配機能評価を繰り返した参加者(n = 3,902人)の4年追跡期間における心配機能(CRF)の改善とBMIの減少は、HFのリスク低下と有意に関連していた【ベースラインから10%改善のCRF[HR95CI)=0.900.820.99][ベースラインから10%減少のBMI[HR95CI)=0.800.690.94)]】。

結論:

Look AHEAD試験のT2DM患者において、生活習慣の介入(ILI)は心不全発症リスクを改善しなかった。しかしながら、ベースラインの心肺機能(CRF)が高く、CRFBMIが持続的に改善していれば、心不全の発症リスクは低下していた。

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