血液透析施行の糖尿病患者における血糖変動と全死亡リスク



PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32033851 

タイトル:Glycemic variability and all-cause mortality in patients with diabetes receiving hemodialysis: A prospective cohort study.

<概要(意訳)>

目的:

血液透析を受けている糖尿病患者を対象に、血糖変動(GV)と全死亡率との関連の可能性を検討する。

方法:

2012年12月から2018年12月までの間に嘉興(かこう)血液透析センターで血液透析を受けている糖尿病患者を対象に前向きコホート研究を実施した。

GVは変動係数(CV)で全体のCV中央値は、45% ± 20% で、Q1:≤31%,quartile,Q2:31%–40%, Q3:40%–52%,Q4:52%として定量化した。

血液透析日の1時間前から血糖モニター装を開始し、翌日(血液透析off日)にかけて48時間の血糖値を3分毎に計測した。

本試験のエンドポイントは全ての原因による死亡と定義した。

結果:

解析に含まれた1240人の患者のうち、追跡期間中央値2.4年(範囲0~3.0)の間に全死因死亡した患者は340人(27.4%)であった。Kaplan-Meier解析では、累積生存期間はCV四分位に比例して低下していた(log-rank P < 0.001)。

重回帰モデルでは、CV高値のQ4群は独立して全死亡のリスク増加と関連していた(HR 1.887、95%CI 1.407-2.531、P < 0.001)。

サブ解析の低血糖有無による全死亡率もCV四分位に比例して上昇していた。

結論:

血糖変動が高いと、血液透析を受けている糖尿病患者の死亡リスクの増加と関連している。GVの低下が死亡リスクの低下と関連しているかどうかを調べるためには、今後の研究が必要である。

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