2型糖尿病の発症年齢と心血管疾患・死亡率との関連



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33888517/ 

タイトル:Associations of Type 2 Diabetes Onset Age With Cardiovascular Disease and Mortality: The Kailuan Study

<概要(意訳)>

目的:

本研究では、中国人集団における2型糖尿病の発症年齢と「心血管疾患(CVD)および全ての原因による死亡率(全死亡)」を調査することを目的とした。

方法:

Kailuan研究(2006年~2015年)のベースラインで、CVDの既往がない101,080例の被験者を2017年12月31日まで隔年でフォローアップした。

フォローアップ期間中に、11,384例の被験者が2型糖尿病と診断された。

最終的な分析対象は、2型糖尿病の有無における各群の被験者を年齢と性別で一致させた各10,777例のペアで構成された。

Cox回帰モデル(喫煙状態、飲酒状態、高血圧、LDL-C、HDL-C、肥満、eGFR、運動で調整)を使用して、新規で2型糖尿病を発症した被験者と対象被験者の「全死亡、CVD、脳卒中」における年齢別(<45歳、45-54歳、55-64歳、≧65歳)の平均ハザード比(AHR)を評価した。

結果:

追跡期間中央値5.57年の間に、全体で1,794件のイベントが発生した。

全死亡は887件、CVDは907件、脳卒中は725件の発生があった。

 

「全死亡」における平均ハザード比[AHR(95%CI)]は、各年齢でそれぞれ、

<45歳:4.79(1.95-11.76)

45-54歳:2.58(1.79-3.72)

55-64歳:1.69(1.15-3.72)

≧65歳:1.65(1.36-2.10)

となり、年齢が若い(上昇する)ほど、AHRの上昇(低下)が示された。

 

「CVD(心血管疾患)」における平均ハザード比[AHR(95%CI)]は、各年齢でそれぞれ、

<45歳:3.21(1.18-8.72)

45-54歳:1.66(1.18-2.31)

55-64歳:1.19(1.01-1.57)

≧65歳:1.18(0.76-1.88)

となり、年齢が若い(上昇する)ほど、AHRの上昇(低下)が示された。

 

「脳卒中」における平均ハザード比[AHR(95%CI)]は、各年齢でそれぞれ、

<45歳:2.99(1.01-9.17)

45-54歳:1.66(1.12-2.46)

55-64歳:1.14(0.82-1.59)

≧65歳:1.12(0.68-1.83)

となり、年齢が若い(上昇する)ほど、AHRの上昇(低下)が示された。

Diabetes Care. 2021 Apr 22; dc202375.

結論:

心血管疾患と全ての原因による死亡の相対リスクは、2型糖尿病を発症した年齢グループ間で異なり、とくに若年で2型糖尿病を発症した被験者のイベント発症リスクは顕著に上昇することが示された。

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