PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32800634/
タイトル:Age-specific incidence rates of atrial fibrillation and risk factors for the future development of atrial fibrillation in the Japanese general population
<概要(意訳)>
背景:
心房細動(AF)の年齢別発症率とその危険因子は、日本では十分に調査されていない。
方法:
2010年の健康診断でAFが心電図で検出されなかった岩手県の地域住民130,396例を本研究に登録した。
20011年~2013年の健康診断でAFを新規で発症した被験者を確認した。
男女におけるAFの年齢別発症率(45-54歳、55-64歳、65-74歳、75-84歳、85歳以上の被験者)を調査し、多変量調整ロジスティック回帰分析を使用して、既知のAF発症リスク因子のオッズ比(OR)を求めた。
結果:
「45〜54歳、55〜64歳、65〜74歳、75〜84歳、85歳以上、全体」の被験者におけるAFの年齢別発症率(1000人年)は、
男性で「1.42、3.84、6.73、8.53、14.13、3.48(1000人年)」、
女性で「0.12、0.53、2.15、3.40、10.48、1.03(1000人年)」となった。
J Cardiol. 2021 Jan;77(1):88-92.
既知のAF発症リスク因子[年齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、過体重、冠動脈疾患の既往、脳卒中の既往、現喫煙、毎日の飲酒、定期的な運動]において、男性で認められた有意なオッズ比[OR(95%CI)]は、それぞれ、
年齢:1.07(1.06-1.08)、p<0.001
高血圧:1.20(1.01-1.43)、p=0.041
過体重:1.55(1.30-1.85)、p<0.001
冠動脈疾患の既往:1.79(1.23-2.61)、p=0.002
毎日の飲酒:1.29(1.08-1.53)、p=0.004
となった。
既知のAF発症リスク因子[年齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、過体重、冠動脈疾患の既往、脳卒中の既往、現喫煙、毎日の飲酒、定期的な運動]において、女性で認められた有意なオッズ比[OR(95%CI)]は、それぞれ、
年齢:1.11(1.09-1.13)、p<0.001
高血圧:1.70(1.19-2.45)、p=0.004
過体重:1.64(1.17-2.30)、p=0.004
となった。
J Cardiol. 2021 Jan;77(1):88-92.
結論:
岩手県の一般集団における心房細動の年齢別発症率が明らかになった。
将来の心房細動発症リスクを有意に増加させるのは、「年齢、高血圧、過体重、冠動脈疾患の既往、毎日の飲酒」であることが示された。