HFrEF患者の長期予後に対する糖尿病と血糖コントロールの役割



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32360652/ 

タイトル:Long-term Prognostic Role of Diabetes Mellitus and Glycemic Control in Heart Failure Patients With Reduced Ejection Fraction

<概要(意訳)>

背景:

心不全(HF)患者の予後に対する糖尿病(DM)の役割は、まだ明らかでない。

我々のデータベースに登録されているHFrEF患者の予後に対するDM、治療、血糖コントロールの役割を評価した。

方法:

MECKIスコアデータベースに登録されている3927人のHFrEF患者(男性:79% 、平均年齢61.7±13.2歳、平均EF34±11%.)を、3.66年(中央値)の追跡期間(四分位範囲:1.70-6.67)におけるDM患者(n = 897)と非DM患者(n = 3030)の生存率、およびDM患者においては、インスリン治療(n = 304)、経口DM治療薬(n = 479)、および食事療法のみ(n = 88)治療における生存率を分析した。 また、血糖コントロールによる生存率は、HbA1c値:<7%(n = 266)、7.1-8%(n = 133)、> 8%(n = 149)の3群に分けて分析した。

すべての分析は、左室駆出率、腎機能、ヘモグロビン、ナトリウム、心肺運動負荷試験のデータを調整して行った。

主要評価項目は、心血管死、緊急心臓移植、または補助人工心臓(VAD)治療の複合とした。 副次評価項目は、心血管死と全ての原因による死亡とした。

結果:

全ての評価項目において、DMとインスリン治療、または食事療法は、非DM患者と経口糖尿病治療薬の服用患者と比較して、長期予後を有意に悪化させるわけでなかった。          交絡因子を補正してもHbA1c8%の患者は、予後がより悪かった(Log-Rank p <0.001)。

結論:

HFrEF患者において、DM、インスリン治療、食事療法は、予後悪化の予測因子ではなかった。 潜在的な交絡因子を考慮すると、血糖コントロール不良が唯一の予後悪化の予測因子であった。

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