NAFLDとCKDの関連性



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32481684/

タイトル:Association Between Non-Alcoholic Fatty Liver Disease and Chronic Kidney Disease: A Cross-Sectional Study

<概要(意訳)>

背景:

非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と慢性腎臓病(CKD)の関連性に共通の危険因子が媒介しているかどうかは明らかでない。

傾向スコア(PS)マッチング法を用いた解析により、NAFLDとCKDの関連性を解明することを目的とした。

方法:

B型肝炎、C型肝炎、アルコール摂取量≧30g/日(男性)、≧20g/日(女性)を除いて、3725人の被験者を評価しました。

この内、腹部超音波検査によりNAFLDと診断された1097人と非NAFLDである1097人を傾向スコアマッチング法により割り付けた。

結果:

PSマッチング前のCKD有病率は、非NAFLD被験者よりもNAFLD被験者の方が高かったが、PSマッチング後のCKD有病率には、これらの被験者間に有意な差はなかった。

サブグループ分析では、NAFLDの有無に関わらず、CKD有病率に差はなかった。

ロジスティック回帰分析では、「肥満、高血圧、高尿酸血症」がCKDの独立した予測因子であったが、NAFLDはCKDの独立した予測因子ではなかった。

NAFLD被験者では、「肥満[OR(95%CI):2.104(1.397 – 3.168)、p<0.001]、高血圧[OR(95%CI):1.505(1.021 – 2.219)、p=0.039]、高尿酸血症[OR(95%CI):2.413(1.537 – 3.788)、p<0.001]」がCKDの独立した予測因子であった。

非NAFLD被験者では、「高血圧[OR(95%CI):1.662(1.094 – 2.527)、p=0.017]、高尿酸血症[OR(95%CI):3.884(2.228 – 6.772)、p<0.001]」がCKDの独立した予測因子であった。

結論:

NAFLDとCKDの関連性には、共通の危険要因が媒介している可能性がある。 「肥満、高血圧、高尿酸血症」の併存症があるNAFLD患者には、CKDのスクリーニングが推奨されるだろう。

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