心房細動アブレーションはHFpEF患者の心不全再入院を減らす



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31985099/

タイトル:Catheter Ablation of Atrial Fibrillation Reduces Heart Failure Rehospitalization in Patients With Heart Failure With Preserved Ejection Fraction

<概要(意訳)>

背景:

心房細動(AF)は、左室駆出率が維持されている心不全患者(HFpEF)の心不全(HF)再入院と関連している。

AFのカテーテルアブレーションは、HFpEF患者の従来の薬物療法と比較してHF再入院を減らせるかを検討した。

方法:

12誘導心電図によりAFと診断されたHFpEF(HF入院歴があり、EF≥50%)患者の連続85症例を後ろ向きに分析した。

AFアブレーション(ABL:n=35)群と抗不整脈薬および/またはβ遮断薬(CNT:n=50)群における心不全再入院を比較した。主要評価項目は、心不全再入院とした。

結果:

患者背景[年齢(71±8 vs 71±13歳、P=.637)、女性(34% vs 36%、P=.870)、平均血中BNP(145±112 vs 195±153 pg/mL ; P=.111)、平均左室駆出率(62%±8% vs 61%±9%; P=.624)、AFタイプ(非発作性AF 60% vs 62%; P=.852)]に差はなかった。

アミオダロンは、ABL群(14/35例)とCNT(20/50例)群で、それぞれ40%継続された(P=1.000)。フォローアップ期間中は、大きな合併症と主要な副作用は観察されなかった。

平均668±472日のフォローアップ期間中の全ての原因による再入院は、ABL群の方がCNT群よりも有意に少なかった(log-rank P=.0284)。

平均792±485日のフォローアップ期間中のHF再入院は、ABL群の方がCNT群よりも有意に少なかった(log-rank P=.0039)。

また、多変量解析により、AFアブレーションは、HF再入院の唯一の保護因子であることが明らかになった(OR=0.15 ; 95%CI:0.04-0.46; P <.001)。

結論:

AFアブレーションにより、HFpEF患者における従来の薬物療法と比較して、HF再入院が減少した。 更なる検証が、多施設無作為化試験で必要だろう。

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