PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31874788/
タイトル:Left Atrial Functional and Structural Changes Associated With Ablation of Atrial Fibrillation – Cardiac Magnetic Resonance Study
<概要(意訳)>
背景:
左心房(LA)の容積は心房細動(AF)アブレーションの成功に関連しているが、他の機能的および構造的パラメーターとの関連は、十分に理解されていない。
本研究では、心臓MRIを用いてアブレーション後の不整脈再発の潜在的な機能的および構造的予測因子を検出し、アブレーション前後の左房の機能的および構造的リモデリングとの関連を非侵襲的に評価することを目的とした。
方法:
合計55人の患者(男性38人、67±10歳)において、「アブレーション前、アブレーション後24時間以内と3ヶ月」の時点で心臓MRI検査を行った。
左房容積(LAV)と機能(駆出率と心筋ストレインによって評価)は、心臓MRIにより測定した。左房の線維化/瘢痕化は、後期ガドリニウム増強(LGE)イメージングにより定量化した。
結果:
左房機能は、非再発患者と比較して、再発患者で急激に低下していた[R(再発)vsNR(非再発):EFTotal(総左房駆出率)27.8 ± 10.3% vs 38.1 ± 11%、p = 0.002;EFActive(能動的左房駆出率)10.5 ± 8% vs 19.1 ± 12%、p = 0.007;EFPassive(受動的左房駆出率)19.4 ± 8 vs 25.8 ± 10、p = 0.021;PLAS(縦方向の心筋ストレイン計測); 13 ± 5.9% vs 20.2 ± 7%、p = 0.004]。
単変量解析では、ベースラインの最小左房容積[MinLAV(最小左房容積) MinLAVi(最小体表面積補正左房容積)]、ベースライン機能パラメーター(EFTotal、EFActive、EFPassive、PLAS)と左房の後期ガドリニウム増強量(LA-LGE)は、再発の予測因子であった[全てのp < 0.05]。
急性期(アブレーション後24時間以内)の「EFTotal、EFActive、EFPassive、PLAS」も、再発の予測因子であった。 アブレーション前における「EFTotal、EFPassive、PLAS」が低値ほど、アブレーション前の後期ガドリニウム増強量(LGE)は多かった。
ベースラインのMinLAV、EFActive、LA-LGEを含む多変量解析において、LA-LGEは再発の唯一の独立した予測因子であった(p = 0.0322)。
結論:
アブレーション前の左房機能は、LGE(後期ガドリニウム増強量)と逆相関し、AFアブレーションの成功に関連していた。左房の機能と構造におけるマルチパラメーターと縦断的評価は、AF患者の臨床転帰を予測する最適な治療戦略の選択に役立つ可能性があるだろう。