2型糖尿病患者の脂質プロファイルに対するDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の比較



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28403877/ 

タイトル:A comparison of effects of DPP-4 inhibitor and SGLT2 inhibitor on lipid profile in patients with type 2 diabetes

<概要(意訳)>

背景:

DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬は、2型糖尿病患者の脂質プロファイルに異なる影響を与えることが示唆された研究がある。

本研究では、2型糖尿病患者の脂質プロファイルに対するDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の影響を調査した。

方法:

2013年1月~2015年12月まで、メトホルミンおよび/またはSU薬の追加治療としてDPP-4阻害薬またはSGLT2阻害薬を投与された2型糖尿病患者を連続して228例を登録した。

ベースラインと24週の脂質プロファイルに対するDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の影響を比較した。

2群間の脂質パラメーターを比較するために、共分散分析(ANCOVA)を実施した。

結果:

合計184例の患者(年齢:53.1±6.9歳、糖尿病罹病期間:7.1±5.7年)がフォローアップを完了した。

184例の内、DPP-4阻害薬は124例(リナグリプチン:55例、ゲミグリプチン:69例)、SGLT2阻害薬は60例(ダパグリフロジン)で追加治療された。

 

ベースラインから24週間におけるHDLコレステロール(HDL-C)は、それぞれ、

DPP-4阻害薬で0.5(95%CI -0.9~2.0)㎎/dLの増加、

SGLT2阻害薬で5.1(95%CI 3.0-7.1)㎎/dLの増加

となり、HDL-CはSGLT2阻害薬で有意な増加が示された(p=0.001)。

 

ベースラインから24週間におけるLDLコレステロール(LDL-C)は、それぞれ、

DPP-4阻害薬で8.4(95%CI -14.0~-2.8)㎎/dLの減少、

SGLT2阻害薬で1.3(95%CI -5.1-7.6)㎎/dLの増加

となり、LDL-CはSGLT2阻害薬で有意な増加が示された(p=0.046)。

Lipids Health Dis. 2017 Apr 13;16(1):58.

一方で、HbA1c(8.3±1.1 vs 8.0±0.9%、p=0.110)、総コレステロール(TC)(p=0.836)、トリグリセリド(TG)(p=0.867)、アポリポタンパク質A(p=0.726)、アポリポタンパク質B(p=0.660)、リポタンパク質(a)(p=0.991)の24週間における変化は、2群間で有意な差はなかった。

結論:

SGLT2阻害薬での追加治療は、DPP-4阻害薬と比較して、2型糖尿病患者の24週間後のHDLコレステロールとLDLコレステロールを有意に増加させた。

ゆえに、SGLT2阻害薬は、低HDLコレステロールの2型糖尿病患者におけるメトホルミンおよび/またはSU薬の追加治療として好ましい可能性があるだろう。

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