PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34813574/
タイトル:Association of SGLT2 Inhibitors With Risk of Atrial Fibrillation and Stroke in Patients With and Without Type 2 Diabetes: A Systemic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
<概要(意訳)>
背景:
SGLT2阻害薬は、心不全による入院および心血管死のリスクを減少させることが十分に立証されているが、心房細動(AF)への影響は包括的に調査されていない。
方法:
PubMed、Embase、ClinicalTrials.govを体系的に検索し、SGLT2阻害薬とAFリスクとの関連を評価するメタ分析を実施した。
2名の研究者により、2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病(CKD)の患者を対象としたSGLT2阻害薬のプラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)が特定された。
主要評価項目は、「心房細動と脳卒中」とした。
結果:
63,604例の被験者を対象とした20件のランダム化試験がメタ分析に含まれた。
対象となったSGLT2阻害薬は、ダパグリフロジン(RCT:7件、被験者:28,834例)、カナグリフロジン(RCT:7件、被験者:17,440例)、エンパグリフロジン(RCT:5件、被験者:9,082例)、およびエルツグリフロジン(RCT:1件、被験者:8,246例)であった。
フォローアップ期間の範囲は、24週から202週であった。
SGLT2阻害薬群の心房細動(AF)リスクは、プラセボ対照群と比較して、有意に減少することが示された[オッズ比:0.82(95%CI 0.72-0.93); p=0.002]。
J Cardiovasc Pharmacol. 2022 Feb 1;79(2):e145-e152.
SGLT2阻害薬群の脳卒中リスクは、プラセボ対照群と比較して、差がないことが示された[オッズ比:0.99(95%CI 0.85-1.15); p=0.908]。
J Cardiovasc Pharmacol. 2022 Feb 1;79(2):e145-e152.
結論:
メタ分析においてSGLT2阻害薬は、2型糖尿病の有無に関わらず、心房細動リスクを低下させ、脳卒中リスクには影響を与えないことが示された。