PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32329231
タイトル:Direct oral anticoagulant plasma levels’ striking increase in severe COVID-19 respiratory syndrome patients treated with antiviral agents: The Cremona experience
背景:
抗ウイルス薬は、直接経口抗凝固薬(DOAC)で治療されている重度COVID-19患者にも投与される。抗ウイルス薬の併用投与は、DOACの血中濃度を増加させる可能性がある。
クレモナ血栓症センターの患者がSARS-CoV-2感染でクレモナ病院に入院し、DOACの服用を中止せずに抗ウイルス薬の治療を開始した。DOACの血中濃度を測定し、入院前に記録された値と比較した。
方法:
抗ウイルス薬は、ロピナビル、リトナビル、またはダルナビルが投与候補となった。
抗ウイルス薬の治療開始2〜4日後に、DOACの服用回数に応じて血漿サンプルを採取した。ダビガトランとアピキサバン服用患者は最終投与から12時間後、リバーロキサバンとエドキサバン服用患者は最終投与から24時間後に血漿サンプルを採取した。トラフのDOAC血中濃度(ng / mL)を入院前の値と比較した。
結果:
COVID-19による肺炎で2020年2月22日から3月15日までに入院した1039人の患者と抗ウイルス療法の候補者のうち、32人がDOACを服用していた。
その内、20人はDOACを中止し、残りの12人は継続した。DOACのトラフ血中濃度は入院前と比較して入院後は平均で6.14倍になっていた。
結論:
DOAC服用患者に抗ウイルス薬治療を開始すると、驚くほどDOAC血中濃度が増加した。
DOAC服用患者がSARS-CoV-2に感染し、抗ウイルス薬の治療が必要だと判断した場合は、出血合併症を防ぐためにDOACを中断し代替の非経口抗血栓療法を検討する必要があるだろう。