PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32405590/
タイトル:Diagnosis Patterns of CKD and Anemia in the Japanese Population
<概要(意訳)>
背景:
慢性腎臓病(CKD)と腎性貧血への早期介入は望ましいが、早期の段階では無症候性の場合が多く、十分な診断がされていない可能性がある。
方法:
JMDC(補足:旧、日本医療データセンター。健康保険組合レセプトデータと健診データを保有している。65歳以上のデータは限られており、76以上のデータは無い。)データベースから、健診データを分析した。
MDV(補足:メディカル・データ・ビジョンに加盟している病院における入院と外来患者データを保有している)データベースから病院データを分析した。
健診データ(期間:2011年1月~2016年12月)と病院データ(2008年4月~2017年7月)を後ろ向きに分析した。
CKDステージは推算糸球体濾過値(eGFR)により、G1~G5(G1:≧90、G2:60-89、G3a:45-59、G3b:30-44、G4:15~29、G5:<15)に分類し、貧血はヘモグロビン(Hb)値で定義した。
CKD未診断のステージG3〜G5、貧血未診断、あるいは未治療患者の割合を推定した。
結果:
16,779人(健診データ)および68,161人(病院データ)の患者の中で、G3 患者の多くはCKD未診断であった[前者_G3a:95.0%、G3b:68.4%、後者_G3a:89.2%、G3b:67.9 %] が、一部の患者では、降圧薬等による治療を受けていた。
貧血は、健診の75.7%(G3a)と66.7%(G3b)、および、病院の56.2%(G3a)と47.5%(G3b)の患者が、未診断または未治療であった。
CKDと貧血は、G4およびG5のCKDステージで診断される可能性が高かった。
結論:
G3患者の多くは、CKDの診断がされていなかった。 同様に、G3の多くの貧血患者は貧血の診断がされていなかった。
一部の患者においては、CKD診断の有無に関わらず、降圧薬等による治療を受けていた。 早期段階のCKDおよび貧血患者に対する更なる支援活動が必要だろう。