PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32536672/
タイトル: Impact of Cardiovascular Disease on Clinical Characteristics and Outcomes of Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
<概要(意訳)>
背景:
グローバルパンデミックであるCOVID-19に対する心血管疾患(CVD)の影響を調査する為に、中国の武漢で検査したCOVID-19感染患者のデータを分析した。
方法:
2020年2月15日から3月14日の間に、PCR検査でCOVID-19と診断された62人のデータを医療記録から抽出した。
結果:
COVI-19 で入院した合計62人の内、33人(53.2%)はCVDを併発しており、重症COVID-19の患者は、非CVD患者(n=7)よりCVD患者(n=17)で高かった(P = 0.027)。
全ての患者の年齢[中央値(Q1、Q3)]は、[66.0(53.3、73.0)]歳であった。
糖尿病(21.0%)、冠状動脈疾患(11.3%)、高血圧(38.7%)は、COVID-19患者に併発する一般的なCVDであった。
CVDを併発した重症でないCOVID-19患者とCVDを併発した重症COVID-19患者を比較して、高感度トロポニンI(hs-cTnI)[p=0.002]、クレアチニン[p=0.025]、高密度リポタンパク質(HDL)[p=0.042]、インターロイキン6(IL-6)[p=0.003]、C反応性蛋白(CRP)[p=0.028]、プロトロンビン時間[p=0.032]、Dダイマー[p=0.010]に、有意な差が認められた。
全ての患者に胸部CT検査を実施したところ、すりガラス陰影(66.1%)、局所肺炎(21.0%)、両側性肺炎(77.4%)、および間質性異常(4.8%)の所見が認められた。
CVDを併発したCOVID-19患者33人の内、気管挿管と人工呼吸を必要とする患者2人(3.2%)を含む6人(18.2%)を除いて、27人(81.8%)は退院した。
入院継続患者の高感度トロポニンI(hs-cTnI)は、退院患者よりも高かった[入院継続(2.4:1.6、5.6)vs 退院(9.0:1.2、25.0)(中央値:Q1、Q3)、p=0.047]。
結論:
糖尿病、高血圧、CADなどのCVDの併発は、COVID-19の重症化に大きく関係している。
COVID-19は、サイトカインストームによって間接的に心筋障害を引き起こし、予後に影響を与える可能性がある。