高齢慢性心不全患者における臨床的特徴と予後因子



PubMed URLhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7090329/

タイトル:Clinical characteristics and prognostic factors in elderly patients with chronic heart failure -A report from the CHART-2 study-

<概要(意訳)>

背景:

心不全(HF)を対象とした多くの無作為化臨床試験は、高齢者が除外されているので、高齢心不全患者の臨床的特徴、予後、および予後因子に関するデータは限られている。

方法:

CHART-2研究におけるステージC / Dの心不全患者(N = 4876、平均69歳、女性32%、6.3年のフォローアップ)の臨床的特徴、予後、および予後因子を年齢別[(G1≤64歳、N = 1521)、(G26574歳、N = 1510)、(G3:≦75歳、N = 1845)]で比較した。

結果:

G1からG3にかけて、女性のHF罹患率、左室駆出率(LVEF)、およびB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血漿中濃度は増加していた(全てのP <0.001)。

また、5年死亡率は増加し(G19.9%、G217.3G339.9%、P <0.001)、心血管死は減少し、非心血管死は増加していた。

全ての原因による死亡率と心血管死亡率は男女で同等であったが、G2G3の男性より女性の方が非心血管死の発生率が有意に低かった。これは、女性よりも男性の方が癌による死亡と肺炎による死亡の発生率が高いことが起因していた。

全グループで、NYHAクラスIIIIVCKD、癌、LVEF、およびBNPは、全ての原因による死亡に大きな影響を与えたが、G1と比較してG3での影響はそれほど顕著ではなかった。

結論:

若いHF患者と比較して高齢のHF患者は、臨床的背景がより重度であり、非心血管死割合が増加している特徴があった。

また、全ての原因による死亡の予後因子は年齢区分によって異なっていた。

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