PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34047442/
タイトル:Risk of Diabetic Macular Edema with Sodium Glucose Co-transporter 2 Inhibitors in Type 2 Diabetes Patients: Multi-institutional Cohort Study in Taiwan
<概要(意訳)>
背景:
2 型糖尿病 (T2DM) 患者の糖尿病性黄斑浮腫 (DME)における、SGLT2阻害薬のリスクを調査した。
方法:
台湾の大規模な多施設電子医療記録データベースを使用して、後ろ向きコホート研究を実施した。
2016年~2018年の間に、SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬を新規で投与された糖尿病性黄斑浮腫 (DME)のない2型糖尿病患者を分析の対象とした。
各薬剤のリスクを比較するために、傾向スコアマッチング法を使用した。
アウトカムは「外来または入院時に診断されたDMEの発症」とし、2020年12月31日まで追跡した。
Cox 比例ハザード回帰モデルを使用して、DMEリスクのハザード比[HR(95%CI)]を推定した。
結果:
SGLT2阻害薬の新規投与患者9,986例[平均年齢 59.6±12.1歳、HbA1c 8.6(IQR 7.7-9.6)%、eGFR 89.1(IQR 71.4-108.7)mL/min/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR) 26.1(IQR 9.7–117.6) mg/g]とGLP-1受容体作動薬の新規投与患者1,067例[平均年齢 58.4±41.5歳、HbA1c 8.8(IQR 8.0-9.8)%、eGFR 91.6(IQR 68.6-114.0)mL/min/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR) 37.6(IQR 11.1–153.2) mg/g]のベースライン特性は類似していた。
新規でSGLT2阻害薬(7.9/1,000人年)を投与された患者は、新規でGLP-1受容体作動薬(10.7/1,000人年)を投与された患者と比較して、糖尿病性黄斑浮腫 (DME)のリスクは低く、そのハザード比はHR 0.75(95%CI 0.64-0.88 )であることが示された。
Diabetes Obes Metab. 2021 May 28. doi: 10.1111/dom.14445.
結論:
実臨床における2型糖尿病患者の糖尿病性黄斑浮腫リスクは、GLP-1受容体作動薬と比較して、SGLT2阻害薬の方が低いことが示された。
今後、更なる研究が必要だろう。
【参考情報】
糖尿病黄斑浮腫とは?