PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31765648/
タイトル:Molecular mechanisms by which SGLT2 inhibitors can induce insulin sensitivity in diabetic milieu: A mechanistic review
<概要(意訳)>
背景:
我々は、SGLT2阻害薬がインスリン感受性を改善する様々な分子メカニズムをレビューした。
結論:
【糖毒性の低減】
高血糖を是正し、糖毒性を低減させることによって、末梢インスリン感受性を高める(抹消組織への糖取り込みを低下させる)。
【カロリー喪失と体重減少】
尿糖排泄によりカロリーを喪失し、脂肪細胞を減らし、(悪玉)アディポサイトカインと脂肪毒性が減少することで末梢インスリン感受性を高める。
【炎症反応の減弱】
さまざまな炎症反応を減弱させることにより、末梢インスリン感受性を高める。
【膵β細胞の機能改善】
膵β細胞のアポトーシスに関与する病態生理学的経路を改善することにより、膵β細胞の質と量、機能を改善する。
【酸化ストレスの軽減】
インスリンシグナル伝達に関係する酸化ストレスを軽減することにより、インスリン抵抗性を低下させる。
Life Sci. 2020 Jan 1; 240: 117090.
<参考情報>
SGLT2阻害薬による糖尿病新規薬物療法
http://s-igaku.umin.jp/DATA/63_01/63_01_03.pdf
脂肪細胞の正体
https://www.yakult.co.jp/healthist/215/img/pdf/p20_23.pdf
肥満症と異所性脂肪、脂肪毒性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/100/4/100_983/_pdf
酸化ストレスとインスリン抵抗性
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/49/11/49_11_845/_pdf
酸化ストレス、JNK経路を介した糖尿病発症、進展の分子機構の解析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/48/8/48_8_595/_pdf