SGLT2阻害薬と全死亡リスク



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33283969/ 

タイトル:Sodium-glucose co-transporter-2 inhibitors and all-cause mortality: A meta-analysis of randomized controlled trials

<概要(意訳)>

目的:

SGLT2阻害薬(全体)または各SGLT2阻害薬(エンパグリフロジン、エルツグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン)の全死亡リスクに与える影響とその差異をメタ解析により評価することを目的とした。

方法:

治療期間が52週を超える全てのランダム化比較試験(各群には少なくとも100例の患者が登録)を対象とし、SGLT2阻害薬を対照薬またはプラセボと比較した。

結果:

メタ解析の対象となった21のランダム化比較試験(治療期間の中央値104週間)において、SGLT2阻害薬群(39,593例)と対照群(30,771例)の全死亡は、それぞれ、2,474例と2,298例であった。

エンパグリフロジンにおける「全死亡リスク」のオッズ比(95%CI)は、0.85(0.70-0.91)となった。

エルツグリフロジンにおける「全死亡リスク」のオッズ比(95%CI)は、0.93(0.80-1.09)となった。

カナグリフロジンにおける「全死亡リスク」のオッズ比(95%CI)は、0.87(0.76-0.98)となった。

ダパグリフロジンにおける「全死亡リスク」のオッズ比(95%CI)は、0.85(0.78-0.94)となった。

SGLT2阻害薬群における「全死亡リスク」のオッズ比(95%CI)は、0.86(0.81-0.91)となった(p<0.00001)。

SGLT2阻害薬群における「全死亡リスク」の異質性は、I2=17%となり、低いことが示された[参考:I2 < 25% 異質性低い、I2 > 75% 異質性高い]。

 

また、メタ回帰分析では、白人よりもアジア人の方が全死亡リスクの低下が示された。

Diabetes Obes Metab. 2021 Apr;23(4):1052-1056.

結論:

ランダム化比較試験において、SGLT2阻害薬は全死亡リスクを低下させることが示された。

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