PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32954072/
タイトル:Systematic Review of the Association Between Worsening Renal Function and Mortality in Patients With Acute Decompensated Heart Failure
<概要(意訳)>
背景:
急性非代償性心不全(ADHF)の予後は、依然として不良である。
腎機能の悪化(WRF)は、ADHF患者によく見られるが、WRFの予後への影響については議論の余地がある。
我々は、WRFを合併した ADHF患者のうっ血改善の有無は予後への影響が異なるという仮説を検証した。
方法:
2019年12月までにPubmed, Embase, Cochrane Libraryで発表された論文の内、ADHFの治療中にWRFを合併した患者の予後を調べた研究を系統的に検索した。解析できる13論文をメタ解析した。
Kidney Int Rep 2020 Jul 2; 5(9): 1486-1494.
結果:
60〜450日の追跡期間中に、19.2%の患者が死亡しました。
各論文の死亡数からオッズ比(OR)と95%信頼区間(95% CI)を算出し、メタ解析を実施した。
「ADHF患者におけるWRFと死亡との関連を示したフォレストプロット(Fig.2)」において、WRF合併有あり群は、WRF合併なし群よりも、死亡リスクは有意に高かった[OR 1.71(95%CI 1.45-2.01);p<0.00001、I2=29%]。
Kidney Int Rep 2020 Jul 2; 5(9): 1486-1494.
「うっ血改善所見がみられたADHF患者におけるWRFと死亡の関連を示したフォレストプロット(Fig.4)」において、WRF合併あり/うっ血改善所見のない群は、WRF合併なし群よりも、死亡リスクは有意に高かった[OR 2.30(95%CI 1.79-2.94);p<0.00001、I2=37%]。
Kidney Int Rep 2020 Jul 2; 5(9): 1486-1494.
「うっ血改善所見がみられたADHF患者におけるWRFと死亡の関連を示したフォレストプロット(Fig.5)」において、WRF合併あり/うっ血改善所見のある群とWRF合併なし群の死亡リスクに有意な差はなかった[OR 1.15(95% CI 0.89 – 1.49);p=0.30、I2=28%]。
Kidney Int Rep 2020 Jul 2; 5(9): 1486-1494.
さらに、WRF合併あり/うっ血改善所見のある群は、WRF合併なし群、あるいはWRF合併あり/うっ血改善所見のない群よりも、有意に死亡リスクが低かった[OR 0.63 [95% CI 0.46–0.86 ; p=0.004]。
これらの傾向は、WRFの定義、フォローアップ期間、うっ血改善の定義で実施した感度分析においても同様の傾向を示した。
結論:
静脈内うっ血改善所見の有無は、急性心不全(ADHF)の治療中に腎機能が悪化(WRF)した患者の予後を左右する因子であった。
ゆえに、今後の研究では腎機能の悪化(WRF)だけを予後不良因子と決めるのではなく、体液量の評価を同時に行うことが重要であることが示唆された。
Kidney Int Rep 2020 Jul 2; 5(9): 1486-1494.
【参考情報】
メタ解析の読み方
http://www.jseptic.com/journal/jreview_170.pdf
観察研究における感度分析の勧め 入門編
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/pdf/sensitivity_analysis.pdf