急性心不全における腎機能悪化に対する静脈うっ血の重要性



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19215833/ 

タイトル:Importance of venous congestion for worsening of renal function in advanced decompensated heart failure

<概要(意訳)>

背景:

かねてより、心拍出量の低下は、急性非代償性心不全(ADHF)患者の腎機能悪化(WRF)の主な関連因子であると考えられている。

ADHF患者のWRFの合併(発症)は、「心拍出量の低下」よりも「静脈うっ血」の方が関連しているかどうかを調査した。

方法:

ADHFで入院し、肺動脈カテーテル(スワンガンツカテーテル)下で集中治療された連続145例の患者を調査対象とした。

WRFの定義は、「入院中の血清クレアチニン≧0.3 mg/dlの増加」とした。

結果:

ADHF患者145例[年齢57 ±14歳、心係数1.9±0.6 L/min/m2、[参考:心係数2.2以下で抹消循環不全(+)]、左室駆出率(LVEF)20±8%、血清クレアチニン1.7 ±0.9 mg /dl]の内、主に入院5日以内に58例(40%)の患者がWRFを合併した。

WRF合併患者は、WRF非合併患者と比較して、入院時[18±7mmHg vs 12±6 mm Hg、p <0.001]と集中治療後[11±8mmHg vs 8±5mmHg、p=0.04]の中心静脈圧(CVP)は有意に高かった。

JACC Vol.53, No.7, 2009 February 17, 2009:589-96

中心静脈圧(CVP)のレベルが上昇する[<8、8-16、16-24、<24]につれて、WRFの合併リスクが増加し、CVP<24mmHgの患者の75%はWRFを合併した。

CVPレベルに対応するCr(クレアチニン)値は、それぞれ、1.6±0.9、1.6±0.8、1.7±0.8、2.1±1.1となり、入院時のCVPとWRFの重症度の間には、有意な相関が見られた(r=0.4、p<0.0001)。

中心静脈圧(CVP)<8 mm HgのADHF患者は、WRFの合併が有意に少なかった(p=0.01)。

JACC Vol.53, No.7, 2009 February 17, 2009:589-96

さらに、ROC曲線分析では、ベースラインの心係数(CI)[0.552、p =0.6]ではなく、ベースライン中心静脈圧(CVP)[0.734、p=0.0001]が、ADHF患者のWRF合併リスクを予測することが示された(p=0.012)。

また、この結果は、ベースラインの「糖尿病、高血圧、腎機能障害」の有無に関わらず、同様であった。

JACC Vol.53, No.7, 2009 February 17, 2009:589-96

結論:

静脈うっ血は、急性心不全(ADHF)患者における腎機能悪化(WRF)の合併に対する最重要な血行力学的要因であることが示された。

 

【参考情報】

スワンガンツカテーテルの適応・目的・合併症・ケアのポイント

https://www.kango-roo.com/learning/3940/

心係数とは

https://www.kango-roo.com/word/454

中心静脈圧とは

https://www.kango-roo.com/word/6891

中心静脈圧の単位変換

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1070599480

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