胸部CTによる内腔閉塞と肺機能・QOL・COPD表現型との関連性



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32017932/

タイトル:Luminal Plugging on Chest CT Scan: Association With Lung Function, Quality of Life, and COPD Clinical Phenotypes

<概要(意訳)>

背景:

細い気道の内腔を閉塞する粘液性滲出液は、COPD患者の肺機能低下と死亡率に関連しているが、太い気道の内腔閉塞に関する研究は未だ多くない。

我々は、胸部CTで同定した内腔閉塞と「肺機能、健康関連QOLCOPDの表現型」との関連を調査した。

方法:

COPD Gene研究から、COPDでない喫煙者100人とCOPDの喫煙者400人を無作為に抽出した。内腔閉塞は、ベースラインと5年のフォローアップ時に吸気胸部CTで視覚的に同定した。

内腔閉塞と「FEV1SGRQスコア、気腫病変([LAA-950]%LAA-950 ≥ 5%として定義)、慢性気管支炎」との関係を線形およびロジスティック多変量解析により評価した。

 結果:

全体で111例(22%)に内腔閉塞が同定された。 内腔閉塞の有病率は、COPD被験者の方が非COPD被験者より高かった(それぞれ、25vs 10; P = .001)。

調整モデルによるCOPD被験者の内腔閉塞は、%FEV1(推定:-6.1SE2.1P = .004)、SGRQスコア(推定:4.9SE2.4P = .04)と有意な関連があった。

内腔閉塞は、logLAA-950(推定:0.43SE0.16P = .007)と関連していたが、慢性気管支炎との関連性は統計的有意性には至らなかった(P = .07)。

ベースラインで内腔閉塞があるCOPD被験者の73%は、5年のフォローアップで肺機能の低下、健康関連QQLの悪化が認められた。

結論:

COPD被験者の内腔閉塞は、「気流閉塞、健康関連QOLの低下、肺気腫の表現型」と関連していた。

このイメージング手法は、COPDの慢性粘液分泌過多における現在の臨床評価を補完する可能性があるだろう。

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