剖検検体を用いた耐糖能状態と膵β細胞α細胞の組織学的定量変化の検討



PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32031300 

タイトル:Association of glucose tolerance status with pancreatic β- and α-cell mass in community-based autopsy samples of Japanese individuals: The Hisayama Study.

<概要(意訳)>

目的:

耐糖能異常の進展に伴う、膵β細胞とα細胞を組織学的定量変化は、完全には解明されていない。本研究では耐糖能の状態による膵β細胞とα細胞の定量変化の違いについて久山町研究の剖検検体を用いて調査した。

対象:

2002年~2016年における久山町の649例の剖検検体の内、死亡5年以内に75gOGTTの糖負荷試験を施行した103例(正常:40例、耐糖能異常:31例、2型糖尿病:32例)

結果:

平均β細胞量は、耐糖能の悪化に伴い、有意に減少していた。(正常:1.85±0.10% ,耐糖能異常:1.59±0.11% 、2型糖尿病:1.17±0.11% ,P for trend<0.001)

一方で、α細量は、このような有意な相関は認められなかった。また、平均β細胞量は、「空腹時血糖値、75gOGTTの2時間値、HbA1c値」と逆の相関が認められた。

結論:

日本人のβ細胞定量値は、2型糖尿病の前段階である耐糖能異常の段階で有意な減少が認められていた。耐糖能異常の前段階からβ細胞の減少を抑制することは、2型糖尿病の発症予防に重要である。

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