在宅療養患者の入院時における支援と診療・介護報酬



在宅療養中の利用者が入院になったとき、入院先医療機関に利用者の在宅療養中の情報を提供するのは、在宅医(かかりつけ医)だけではない。

訪問看護ステーションやケアマネージャー各々の視点からの情報提供が推奨されている。

その為、入退院時には様々な職種に円滑な連携を促進する為の診療報酬、介護報酬が設けられている。

<入院医療機関の場合>

入院時支援加算(1)230点、(2)200点

(施設基準)

・入院前支援を行う者として、入退院支援及び地域連携業務を担う部門に、入退院支援及び地域連携業務に関する十分な経験を有する専従の看護師又は入退院支援及び地域連携業務に関する十分な経験を有する専任の看護師及び専任の社会福祉士が配置されていること。

ただし、許可病床数が200床未満の保険医療機関にあっては、本文の規定にかかわらず、入退院支援に関する十分な経験を有する専任の看護師が配置されていること。

・地域連携を行うにつき十分な体制が整備されていること。

(算定対象者)

・自宅等から入院する予定入院患者(他の保険医療機関から転院する患者を除く)

・入退院支援加算を算定する患者

<在宅医(かかりつけ医)側の場合>

診療情報提供料Ⅰ 250点

訪問診療を行う医師が在宅療養中の経過や今回入院となった経緯を伝えるのが、診療情報提供書である。

病状だけでなく、利用者や家族の療養の希望、例えば「自宅での看取りを希望されている」等の情報も記入しておくと退院支援がスムーズになることもある。

療養情報提供加算 50点

診療情報提供料Ⅰの加算である。

診療情報提供書に、訪問看護ステーションからの訪問看護情報提供書を添付して入院医療機関に提供した場合に算定できる。

<訪問看護ステーションの場合>

訪問看護情報提供療養費3 1,500円(月1回)

利用者が医療機関・介護医療院・介護老人保健施設に入院・入所する際に、その利用者についてのケア時の具体的な方法や留意点、または継続すべき看護などの情報を提供した場合に算定できる。

この算定は、医療保険で行い、他の訪問看護ステーションとの併算定はできない。

※注意事項※

・同じ内容でも、訪問看護報告書で行った場合は算定できない。

・1人の利用者に2つの訪問看護ステーションが関わっていても算定できるのは1つの訪問看護ステーションだけである。

・入院入所する医療機関などが訪問看護ステーションと特別な関係にある場合や主治医が所属する医療機関である場合は算定できない。

<在宅介護支援事業所の場合>

入院時情報連携加算(Ⅰ)200単位 ,(Ⅱ)100単位

利用者が病院・診療所に入院した場合に、入院先の医療機関の職員に対して利用者情報を提供した場合に算定できる。

入院後3日以内に情報を提供した場合は(Ⅰ)200単位、4日以上7日以内の場合は(Ⅱ)100単位を算定する。

【在宅療養患者の入院時における診療報酬と介護報酬】

入院医療機関

□入院時支援加算1(230点) または、

□入院時支店加算2(200点)

在宅医(かかりつけ医)

□診療情報提供料Ⅰ(250点)

□療養情報提供加算(50点)

訪問看護ステーション

□訪問看護情報提供療養費3(月1回、1,500円) 

居宅介護支援事業所

(ケアマネージャー)

□入院時情報連携加算(Ⅰ)200単位 または、

□入院時情報連携加算(Ⅱ)100単位

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