PubMed URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32173711
タイトル:Mechanisms of Urgently Presenting Acute Heart Failure.
<概要(意訳)>
背景:
急性心不全(AHF)症状の機序はまだ明らかになっていない。我々は、AHF患者における入院直後の血漿カテコールアミン値を評価した。
方法:
スクリーニングした1,475人のAHF患者の内、入院直後の血清カテコールアミン値の評価が可能な484人を対象とした。
患者は、急性心不全の発症から入院(OA)までの期間により、早期OA群(<3時間 ; n = 283)、中期OA群(3-24時間; n = 142) 、後期OA群(24時間以上; n = 59)の3群に分けた。
結果:
早期OA群では他群よりも、有意に高い収縮期血圧(SBP)、頻回な起坐呼吸、pH低値がみられ、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の介入が必要であった。
血漿ノルアドレナリン値は、初期OA群(1.96 [1.02-3.60] ng / mL)、中期OA群(1.49 [0.73-3.41] ng / mL)、後期OA群(1.40 [0.91- 2.42] ng / mL)であり、血漿アドレナリン値は、後期OA群(0.22 [0.09-0.52] ng / mL)よりも初期OA群(0.36 [0.13-1.17] ng / mL)で有意に増加した。
多変量ロジスティック回帰分析により、早期OA群がSBP> 140 mmHg(オッズ比[OR]:2.219、95%CI:1.375-3.581)、夜間/早朝の入院(OR:3.158、95%CI:2.048-4.868)、血漿カテコールアミン高値[アドレナリン> 0.96 ng / mL、ノルアドレナリン> 3.39 ng / mL、およびドーパミン> 0.21 ng / mL](OR:2.091、95%CI:1.161-3.767)と独立した関連が示された。
結論:
急性心不全(AHF)の症状は、内因性カテコールアミンの上昇による血圧過上昇が心筋過負荷となり体液貯留、肺うっ血の増加となることで引き起こされる可能性がある。
【参考情報】
血漿カテコールアミン3分画の基準値:http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/3802459
アドレナリン:0.10ng/mL以下
ノルアドレナリン:0.10~0.50ng/mL
ドーパミン:0.03ng/mL以下