日本人糖尿病患者におけるアルブミン尿と腎障害の有病率と関連因子



PubMed URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31317670

タイトル:Prevalence of albuminuria and renal dysfunction, and related clinical factors in Japanese patients with diabetes: The Japan Diabetes Complication and its Prevention prospective study 5.

<概要(意訳)>

目的:

日本人糖尿病患者におけるアルブミン尿と腎障害の有病率と関連因子を明らかにするために、合併症の実態把握とその治療に関するデータベース構築による大規模前向き観察研究(JDCP研究)のデータを分析した。

対象と方法:

1型糖尿病患者355名と2型糖尿病患者5,194名(年齢40歳以上75歳未満)のデータから、アルブミン尿と腎障害の有病率と関連因子を評価しました。

二項ロジスティック回帰分析を使用して、eGFR<60 mL / min / 1.73 m2、または、アルブミン尿の独立した関連性を調査した。

結果:

ミクロアルブミン尿とマクロアルブミン尿の有病率は、それぞれ、1型糖尿病患者で15.2%(54/355)と3.1%(11/355)、2型糖尿病患者で25.0%(1,298 / 5,194)と5.1%(265 / 5,194)であった。

腎障害(eGFR<60)の割合は、1型糖尿病患者では9.9%(35/355)、2型糖尿病患者では15.3%(797 / 5,194)であった。

正常アルブミン尿を伴う腎障害患者の割合は、1型糖尿病患者では7.3%(26/355)、2型糖尿病患者では9.0%(467 / 5,194)であった。

また、ミクロアルブミン尿とマクロアルブミン尿を伴う腎障害を患者の割合は、1型糖尿病患者では1.7%(6/54)、0.9%(3/11)2型糖尿病患者では4.1%(212 / 1,298)と2.2%(118/265)であった。

2型糖尿病患者のアルブミン尿の関連因子は、「HbA1c、高血圧(既往含む)年齢罹病期間BMI、eGFR<60」であった。

一方で、腎障害の関連因子は、「年齢罹病期間、脂質異常症(既往含む)、高血圧(既往含む)BMI、男性、(ミクロ/マクロ)アルブミン尿」であった。

結論:

JDCP研究データより、1型および2型糖尿病の日本人患者におけるアルブミン尿と腎障害の有病率と関連因子を調査した結果、2型糖尿病患者の腎疾患には異質性があり、アルブミン尿と腎機能の低下には異なるメカニズムが関与している可能性がある。

Sponsored Link




この記事を書いた人