経口糖尿病治療薬における効果減弱までの期間



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30370022/ 

タイトル:The durability of oral diabetic medications: Time to A1c baseline and a review of common oral medications used by the primary care provider

<概要(意訳)>

背景:

ジェネリック医薬品のコストは、過去数年間で最も増加している。

これらの費用の多くを医療保険で賄っているが、医療提供者はプラセボで治療された対照薬の内、効果が長期間持続する薬剤を患者に提供することで、薬剤コストの削減と糖尿病管理の改善が期待できるだろう。

本研究では、2型糖尿病治療で一般的に使用される薬剤の血糖降下作用の耐久性を調査した。

方法:

PubMedから、「研究期間が2年以上のプラセボ対照試験」の論文を選定した。

薬剤クラスは、「メトホルミン、DPP-4阻害薬、SU薬、チアゾリジン薬、SGLT2阻害薬」であった。

主要評価項目は、「(単一経口剤の最大用量で)HbA1cがベースラインに戻るまでの期間」とした。

この血糖降下作用の耐久性は、クラス内の各薬剤で平均化され、各クラスの効果を要約した。

結果:

ベースラインの血糖値に戻るまでの期間(耐久性)は、メトホルミン(2,500㎎/日)の「5年間」と比較して、DPP-4阻害薬(アログリプチン30㎎/日、シタグリプチン100㎎/日、サキサグリプチン5㎎/日)とSU薬は「3~4年間」、チアゾリジン薬(ロシグリタゾン4–8㎎/日、ピオグリタゾン45㎎/日)で「6~8年」、SGLT2阻害薬(カナグリフロジン100または300㎎/日、エンパグリフロジン10または25㎎/日)で「5~7年」であった。

Endocrinol Diabetes Metab J, Volume 2(3): 1–4, 2018

結論:

メトホルミンは、HbA1cがベースラインに戻るまでに5年間の効果が示された。

SU薬とDPP-4阻害薬は、3.3~4.4年の効果で最も耐久性が短かった。

一方で、SGLT2阻害薬とチアゾリジン薬の耐久性は、6〜8年になることが示された。

プラセボと比較した血糖降下作用の耐久性は、医療提供者が賢明に選択できるリスト化が望まれるだろう。

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