CKD患者における副甲状腺ホルモンとAF有病率との関連性



PubMed URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32507801/ 

タイトル:Association Between Plasma Intact Parathyroid Hormone Levels and the Prevalence of Atrial Fibrillation in Patients With Chronic Kidney Disease ― The Fukuoka Kidney Disease Registry Study ―

<概要(意訳)>

背景:

副甲状腺ホルモン(PTH)は心血管障害と関連しているが、慢性腎臓病(CKD)患者における血漿PTH濃度が心房細動(AF)に関連しているかどうかは未だ分かっていない。

方法:

福岡腎臓病データベース(FKR)研究に登録された被験者3,384人のベースラインデータを分析した。

評価項目は、心房細動の有病率であり、主な危険因子を血漿インタクトPTH濃度とした。

ロジスティック回帰分析により、血漿インタクトPTH濃度の四分位範囲(Q1~Q4)とAFとの関連を評価した。

結果:

血漿インタクトPTH濃度(pg/mL)と該当被験者数は、[Q1:5–46(n=842)、Q2:47–66(n=850)、Q3:67–108(n=848)、Q4:109–1,660(n=844)]であった。

全体で185人の患者がAFを発症した。その内訳(人)は、[Q1:22/842、Q2:34/850、Q3:59/848)、Q4:70/844]であった。

AF有病率は、血漿インタクトPTH濃度の増加に伴い段階的に増加した。

ロジスティック回帰モデルにおいて、血漿インタクトPTH濃度Q1と比較して、Q2[1.33(0.76〜2.34)]、Q3[1.82([1.06–3.13)]、Q4[1.99(1.08–3.64)]のAF有病率のオッズ比(95%信頼区間)は高くなった(trend P = 0.016)。

Q1と比較して、Q3とQ4のAF有病率は有意に高かった。

AF発症における血漿インタクトPTH濃度のカットオフ値は、69 pg / mLで、感度、特異度、AUC(ROC曲線下面積)は、それぞれ0.697、0.527、0.625であった。

結論:

本研究において、より高い血漿インタクトPTH濃度は、非透析CKD患者におけるAF有病率の段階的増加と関連していた。

【参考情報】

福岡腎臓病データベース(FKR)研究

http://www.kcu.med.kyushu-u.ac.jp/fkr/ 

副甲状腺ホルモン(PTH)の各種測定法の違い

http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/28.html 

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