日本人高齢者と中年者のCKD発症と進展におけるHbA1cの影響



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31554753/ 

タイトル:Effects of HbA1c on the Development and Progression of Chronic Kidney Disease in Elderly and Middle-Aged Japanese: Iki Epidemiological Study of Atherosclerosis and Chronic Kidney Disease (ISSA-CKD)

<概要(意訳)>

目的:

糖尿病治療ガイド2018-2019以降、高齢者のHbA1c目標値は、中年者と異なり、患者の特徴・健康状態、重症低血糖リスクの薬剤使用有無、年齢によって設定することが推奨されている。

本研究では、日本の高齢者(≧65)と中年者(<65)を対象として慢性腎疾患(CKD)の発症と進行をHbA1c値(<7%7%-9%>9%)別に調査した。

方法:

長崎県壱岐市の特定検診データを使用した後ろ向きコホート研究において、8年間で2回以上、受診した5,554人の住民を対象とした。分析は、下記2項目の「(1)ベースラインでCKDを罹患してない被験者4,570人におけるCKDの発症に対するHbA1cの影響(2)ベースラインでCKDを罹患している被験者953人のCKDの進展に対するHbA1cの影響」で実施した。

結果:

様々なリスク要因を調整後のCKDの発症に関する多変量調整ハザード比(HR)は、HbA1c値の上昇にともない増加した(HbA1c <7%と比較して、79%:HR 1.43>9%:1.67p<0.306 for trend:交互作用) 。

CKDの進展についても同様の所見が観察された(HbA1c <7%と比較して、79%:HR 2.48>9%:2.46p<0.077 for trend:交互作用)。

CKDの発症と進展に対するHbA1cの影響は、高齢者と中年者の間で有意な差は認められなかった(p>0.3 for interaction:交互作用)。

結論:

CKDの発症および進展のリスクは、一般的な日本人集団のHbA1c7%以上から増加した。 また、その傾向は高齢者と中年者で同等であることが観察された。

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