日本の人間ドック被験者における慢性の咳と痰



PubMed URLhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32346287/ 

タイトル:Chronic Cough and Phlegm in Subjects Undergoing Comprehensive Health Examination in Japan – Survey of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Patients Epidemiology in Japan (SCOPE-J)

<概要(意訳)>

目的:

この研究の目的は、日本の一般人口における慢性の咳と痰を伴う被験者の有病率を推定し、気流制限の有無を含む臨床特徴を調査することである。

対象と方法:

日本の複数地域を対象とした観察横断研究である。人間ドックを受けた40歳以上の被験者を対象として、慢性の咳と痰、気流制限、呼吸器疾患の治療有無について調査した。

慢性の咳と痰は、1年のうち少なくとも3ヶ月、および少なくとも2年連続して症状があるか、または慢性気管支炎の治療中と定義した。気流制限は、1秒率(FEV1 / FVC0.7未満と定義した。

結果:

合計22,293人の被験者のうち、380人(1.7%)が慢性の咳と痰を患っていた。 これらの被験者(380人)のうち、21.8%は呼吸器疾患の治療を受け、11.6%は気流制限があった。

慢性の咳と痰は伴わないが気流制限のある被験者と比較して、気流制限はないが慢性の咳と痰を伴う被験者は若く、現喫煙者の可能性が高く(39.6%)、CATスコア(COPDアセスメントテスト)の合計点数が高かった。

CAT14(咳、痰、胸部圧迫感、息切れ)の質問スコアは、気流制限に関係なく、慢性の咳と痰を伴う被験者で高かった。

結論:

この研究は、人間ドックで慢性の咳と痰を伴う被験者は症候性であるが、ほとんどの被験者は呼吸器疾患の治療を受けておらず、気流制限がなかった。

人間ドックで慢性の咳と痰を伴う被験者に詳細な検査を実施することは、より良い管理の効果的なアプローチとなるだろう。

また、慢性の咳や痰のある被験者の約40%は、現喫煙者であることを考慮して、禁煙を管理に含める必要があるだろう。

【参考情報】CATCOPDアセスメントテスト)とは:

http://www.gold-jac.jp/support_contents/cat.html

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